KOKORO NO SHINANSHO

こころの指南書

執着しすぎない

仕事はもちろん、人との関わり方など、人生全般において確信していることがあります。それは、“ 何事も執着しすぎないこと ” 。 この気持ちを常に持ちながら、いつも自由な気持ちで生きていくことが大切なのではと思っています。
執着ってどういうことでしょう??国語辞典には、『深く思いこんで心がはなれないこと。思いがとらわれること』と書かれています。このメッセージを自分なりに考えてみると、自分が持っている仕事・資格・技術・人間関係など、全てのことにとらわれることなく、いつでも喜びを持って手放せる覚悟で生きていこう!!と解釈して、今を生きています。
仕事も人づきあいも執着すると大事なものが見えてこなくなると思うのです。
私は会社をつくって間もなく、アメリカに本部があるイメージコンサルタントの資格を取得しました。もともとは全日空時代の同期が、『自分のイメージアップの為にアドバイスを受けてとてもよかった!』という話を聞いて、私もアドバイスを受けてみたい!と思ってお客様として伺ったのが始まりでした。
この仕事は、その人の目・肌・髪やスタイル、そしてその人の持っている雰囲気を生かして、その人が最も似合って、輝く色やメイク、髪形、洋服のスタイルなど、トータルでイメージアップのアドバイスをするというものです。
自分の好きな色と似合う色は違う。好きなスタイルと似合うスタイルは違う・・など、人というのは、自分のことなのに、似合う色がわからないですし、どんなふうにすると自分が輝いて見えるのか・・・なかなかわからないものですね。
私は、直感的に、これは面白い!こんなことがアドバイスできるときっと喜んでいただけるのでは?と思い、その直感に従って、資格をとりました。
何もかも初めてのことばかりで・・・本当に色々な意味で沢山の刺激を受けました。その人の知りたいことをアドバイスさせて頂く仕事って、本当にやりがいがあって幸せな気持ちになれます。
その当時、名古屋ではこのイメージコンサルタントという職業は大変珍しいものでしたし、タイミング良く人に知ってもらういいチャンスや出会いを頂きました。例えば、新聞にかなり大きく取材されたりしました。そして、テレビにも、イメージアップの特集として、取り上げて頂けたり・・・それらが縁で、雑誌でのアドバイスの機会を頂けたり、セミナーで講師として呼んで頂けたり・・・そして、私にアドバイスを希望されているお客様との出会いを頂いたりで・・・・・アドバイスをさせて頂いたお客様のしあわせ笑顔が今でも忘れることが出来ないほど、楽しい想い出です。
本当に、タイミング良し! とはこういうことをいうのですね、きっと・・。
人とのご縁の繋がりで、新聞に載せて頂いたのですから・・・なんとありがたいことか・・・。
このイメージコンサルタントの仕事も数年させて頂いているうちに、色の世界や表現する世界に興味の範囲が拡がってきて・・・人とのご縁の繋がりで、自然に広告物のデザインなどの表現の世界を拡げていくことができました。
そして、私は似合う色やスタイルなど、外側のアドバイスから、その人そのものの可能性を拡げる、自己表現やからだについて、磨ける仕事をしていきたいと心が望んでいったのです。
自分が本当になにをしていきたいのか?自分が心の底から、発していきたい言葉があるのか?何をしたら、自分も幸せを感じることができるか?長く長く続けていっても、自分の気持ちが新鮮で、自分の感性も拡がり、力がついていけるか?
長期的に考えると、外見のアドバイスをするのは、私がきっと将来において目指していく方向性のものではないだろう・・!!とある時、はっきりと思ったのです。外見のアドバイスは、私でなくとも、もっともっとすばらしいアドバイスをされる方がいらっしゃるはずだ・・・と自分の目指す方向をはっきりさせました。
このイメージコンサルタントの資格を習得する費用・開業にあたり、準備した化粧品の数々、備品などの金額をあげたら、びっくりするほどの金額になりました。どうせやるなら、外国ブランドのメイクアップ化粧品まで揃えて、お客様が非日常的にお過ごし頂き、楽しんで頂けるよう自分が出来るベストを尽くしてやろう!と思ったからです。クオリティの高い・上質な時間や空間を提供したかったからです。
もし、この資格やお金や時間に執着していたら、あのまま続けていたらどうなっていただろうか・・・?きっと今の自分の仕事は、間違いなく発展してはいませんでした。それでも大事なことは、そのことをやったことに大きな意義があり、私には必要な経験だったのです。
でもそのイメージコンサルタントの仕事を精一杯ベストを尽くしたから、次の展開が見えてきたわけで、始まりがないと、今がないのです。突然今の仕事を思いつかないのです。やったからこそ、本当に自分がやり続けたいことは何なのか?がわかるのです。
全てにおけることですが、自分の体験・経験したことの積み重ねからしか、自分の大切な人生は見えてこない! と私は確信しています。だから、自分がやってみたい!と感じたことは、直感からくるものですから、やってみて、体験したほうがいいと思います。
あんなにお金をかけたのに・・・せっかく所属したのに・・・せっかく出会えたのに・・やっと出会えたのに・・・とそこに執着したら大切なことを見失うかもしれません。自分のベストを尽くしても、失うものや別れがやってくることがあるのです。恋愛でも、自分のベストをつくしても、だめなものはだめな時があります。
執着とは、もうこれ以上の人や仕事や環境に出会えないのではないか・・・?と不安や恐れを抱きながら、この人を失いたくない!この仕事を失いたくない!この環境を失いたくない!と毎日失いたくない!をキーワードに生きてしまうようなことではないか??と思うのです。
この執着をとって、今の自分のできることやベストを尽くし、人と接したり、仕事をしていくことが、潔い、気持ち良い、自分の納得のいく人生につながっていくのではないかと私はしみじみ感じています。
だから、失った人・失ったご縁・失った仕事・失った環境 すべてに感謝して、今を生きていきましょう。失ったことで、大切なことがわかったり、見つかったり、気づいたりできるものなのです。

| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
次のページへ

HOME | こころの指南書 | 執着しすぎない